打撲・捻挫

打撲・捻挫の初期治療 RICE

 打撲、捻挫などのスポーツ外傷、特に四肢における初期治療は基本的に冷やします。慢性の痛みでも急に悪化したときは、まず氷で冷やします。基本的な処置は、ライス(RICE)と各英文字の頭文字をとって覚えやすく、ご存知の方も多いと思います。

Rest(安静)

 受傷後は安静にすることが大切です。シーネ(副木)やテーピング、三角巾や弾性包帯、ギプス固定などで患部を固定し、安静にすることで、損傷を拡大させないことと、組織の修復を阻害しないことが大切です。

Ice(アイシング・冷却)

 患部を冷やすことで痛覚を麻痺させて痛みを減少させることができます。アイシングによって血管が収縮することにより、局所の腫れや炎症を抑え、炎症の拡大を防ぎます。
 細胞レベルでは、組織を修復しようとして発熱しているので、アイシングするで、余分な酸素消費を減らし、効率的に組織修復を促し、浮腫を抑制する効果が得られると考えられます。

 すぐに湿布を貼って冷やしたと言う患者さんがいらっしゃいますが、湿布の成分によっては皮膚の刺激で血管が拡張し、逆効果となることがありますので、氷のう(アイスバッグ)や氷を入れたビニール袋で冷やすことをお勧めします。また、皮膚感覚が麻痺するので、長時間のアイシングは凍傷にも注意が必要です。

Compression(圧迫)

 患部に適度な圧迫を患部に与えることで腫れ(組織の浮腫)や炎症をコントロールすることができます。

Elevation(挙上)

 患部を心臓より高い位置に挙上をすることで、静脈還流を促進し、炎症物質を局所から取り去り、腫れを最小限に抑えることができます。常に挙上することが無理でも、 痛くなってきたら少しの間でも患部を持ち上げてみてください。